結納とは、両家の間で高価な結納品を取り交わすことによって婚約の成立を証明する日本古来より続く伝統儀式のひとつです。
男性側が結婚に対する誠意を形にして見せることにより女性側が安心して入籍できるという意味から、新郎家から新婦家に結納品を納めることが一般的とされています。
その結納の形式も、時代と共に少しずつ変化しており、最近では結納そのものを執り行わない、もしくは略式結納と呼ばれる正式結納を簡略化したスタイルを選ぶカップルが増えています。
そこで今回は正式結納と略式結納それぞれの違いから結納を行うメリットとデメリットについて解説したいと思います。
1、正式結納とは
正式結納とは現在一般的に行われている両家顔合わせのスタイルとは異なり、仲人と呼ばれる結婚のお世話をする方が新郎新婦それぞれの家を訪ねて結納品を届けるスタイルを指します。
正式結納では仲人が新郎側の結納品を預かり、それを新婦側に届けに行きます。そして今度は、新婦から新郎へ渡す品物と受書を受けとってそれを新郎家へと届けます。
新郎家に新婦家から預かった結納品を渡し、最後に新郎から預かった受書を新婦側に届ければ正式に婚約が成立したことになります。このように結納品の受け渡しを仲人に一任するのが正式結納です。
とはいえ、結納のスタイルは地域によって大きくやり方が異なるため、上記のような「1往復半」の形式が必ずしもスタンダードというわけではありません。
最後に新婦家のもとを訪れる部分を省略した「1往復」や、新郎家から新婦家におもむくだけの「片道」などの方法もあるようです。
ちなみに関東では「1往復半」、関西では「1往復もしくは片道」を選ばれる方が多いようです。
2、略式結納とは
前項でご説明したとおり、本来結納とは仲人を立てて執り行う儀式です。しかし最近ではこの仲人を立てずに、両家だけが集まって結納品を納める略式結納と呼ばれるスタイルが主流となってきています。
略式結納とは、新婦家の自宅もしくはホテルや料亭に両家が集まって結納品を取り交わすというシンプルな儀式を言います。
略式結納の魅力は両家のみで完結するため、両家が納得のいく形であれば何をどのように略すのか自分たちで自由に決めることができるという点にあります。
例えば結納金、結納品、目録、受書など結納の儀式で必須となるものも略式結納では省略しても問題ありません。参加する服装も、堅苦しくないセミフォーマルでOKということになっています。
ただし、それらはすべて必ず両家で相談・合意した上で、同じ認識で場に臨みましょう。結納においては両家の格を揃えることが重要なポイントです。足並みが揃わず、こんなはずではなかったと意思の齟齬が生じれば、トラブルの元にもなりかねません。
また、略式結納といっても何から何まで略しても構わないというわけではありません。簡略化されたものであっても結納という儀式であることに変わりないので、婚約の証明を表す、つまりけじめをつけることは簡略結納でも忘れてはならないポイントです。
例えば、婚約指輪を贈って誠意を見せる、ふたりで決めた記念品を取り交わすなど、婚約に相応しい品物は準備しておきましょう。
3、結納のメリットとデメリット
結納という言葉を聞くとどうしても格式張った儀式というイメージを抱く方が多いと思います。
また、結納のあり方は地域や家ごとによってかなり差があるため、どんな結納にするかで両家の認識が大きく違い、対立してしまう可能性があります。
こうした両家の争いを避けるために、そもそも最初から結納はしないという選択をするカップルも最近では増えてきています。
とはいえ、結納は結婚式同様に一生に一度の大切な儀式でもありますから、両家の意見の衝突や面倒事から逃れる理由で結納を執り行わないことを選んでしまうと悔いが残る可能性もあります。
結納をやるか、やらないかで悩まれているカップルは、以下にご紹介する先輩カップルたちの意見をご参考になさってみてはいかがでしょうか?
結納の長所と短所を理解してふたりにとってベストな決断をしていただければと思います。
(1)結納をやった先輩カップルの意見
先輩カップルたちが結納をしてよかったと思う点については、このようなコメントが上がっています。
・結納を行ったことで周囲から認められた気持ちになる
・両家の絆がさらに深まった
・両親が喜んでくれた
・結納をすることが当たり前と思っている家柄だったため
・結納金で新生活の準備ができた
・両親が結納をしたい考えだったのでやった
・自分たちだけではなく相手の家族とも幸せを感じられた
・結納によって結婚に対するけじめがついた
・厳かな雰囲気を体験できて良かった
・両家顔合わせもできたので一石二鳥だった
(2)結納をやらなかった先輩カップルの意見
結納を行わなかった先輩カップルたちからは、このような意見が上がっています。
・お金がかかるから
・価値観の違いで揉めるのが嫌だから
・準備に時間がかかるから
・結納にあてるお金を新生活に使いたいから
・結納に対するこだわりがないから
・両家が結納などのしきたりを重んじるタイプではなかった
・結納ではなく両家顔合わせで事が済んだ
・堅苦しい雰囲気が苦手だから
・結納するためのお金を準備できないから
まとめ
いかがでしたか?
時代と共にシンプルになってきている結納のあり方。特に略式結納においては「こうしなければならない」という明確な決まりが存在するわけではないので、両家が納得していればどのようなスタイルでも成立します。
とはいえ、けじめをつけ誠意を示す結納本来の意味を損なうようなスタイルは相応くありません。結納を行う際は、婚約記念品をお披露目して両家の間で品物を取り交わすことを忘れないようにしましょう。
また、結納の格式張った雰囲気が苦手という方はレストランや料亭などで両家顔合わせの機会を設けることをおすすめします。
顔合わせの際に婚約指輪などをお披露目すればそれが結納の証にもなりますし、結納ほど堅苦しい儀式をせずとも食事会の中で記念品を交換すれば結納らしさを演出することができるのでまさに一石二鳥。
ふたりのこだわりだけではなく、両家の意見も取り入れて悔いの残らない結納式をしていただきたいと思います。
今回の記事が結納について検討されているカップルのご参考となれば幸いです。
「HOW TO MARRY」編集部です。編集部では、結婚式場勤務、結婚式のプロデュース会社、フォトウェディングスタジオ立ち上げ経験があるブライダル業界を代表するメンバーや元局アナ・現役婚礼司会者(婚礼司会数300件以上・結婚式関連取材100件以上)が取材・運営を担当しています。皆様に最高に幸せな結婚をして頂くべく信憑性のある情報提供を目指しています。サイト運営者情報はこちら。
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