
晩婚化や出産年齢の高齢化が進む中、不妊症に悩むカップル・夫婦の数は年々増加しています。
厚生労働省の調査によると、平成14年度の不妊治療患者数は約47万人、不妊治療を必要とする夫婦は7、8組に1組とも言われており、もはや不妊治療は特別な事ではなくなっています。
とは言っても、不妊治療を始めることはとても勇気がいるものですよね。そして治療をやめることは、それ以上に勇気がいります。
不妊治療経験者はどんなタイミングで治療を始め、治療をやめるのでしょうか。
そこで今回は、不妊治療を開始する時期、やめる時期についてご紹介いたします。不妊症や不妊治療についてもご紹介します。
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(2023年1月)
1、不妊症の原因とは?
不妊症と聞くと女性だけの問題と思われがちですが、不妊の原因は、男女1:1の割合です。女性側の原因としては、排卵障害、卵管障害、子宮着床障害などが挙げられます。また、男性側の原因としては、造精機能障害、性機能障害、精路通過障害などがあります。
不妊治療をすると決めたら、夫婦ふたりで治療に取り組まなければいけません。「なかなか夫の協力が得られない」ということはよく聞く話ですが、どちらに不妊の原因があるかを調べることはもちろん、その先に待っている治療を乗り越えるためには夫婦ふたりで協力し合うことが大切です。
2、不妊症の目安とは?
一般に結婚を考える年齢で、避妊をしないで通常の夫婦生活を送っていれば、だいたい結婚して1年で8割、2年で9割が妊娠すると言われています。
避妊をせずに一定期間、夫婦生活を行っているにもかかわらず自然妊娠に至らなければ「不妊症」と定義されます。
ここでいう自然妊娠しない「一定期間」の目安は、日本産婦人科学会では1年としていますが、35歳以上の女性では、6ヶ月以上妊娠しない場合に検査を受けた方が良いとも言われています。
もし結婚3年、5年を過ぎていて「まだ子供が出来ない」という夫婦がいたら、迷わず治療を開始した方が良いと言えます。
3、不妊治療を始める時期とは?
前項で不妊症についてご紹介しましたが、「不妊症」と定義される半年から1年を過ぎたタイミングで婦人科を受診し、不妊治療を始めた夫婦がいる一方、他にも治療を始めた時期があるようです。
①婦人科検査をきっかけに
人間ドッグや自治体が行っている無料の婦人科検診に行った際、不妊の相談を切り出す女性は少なくありません。
相談したことで、医師によるタイミング法を始めたり、不妊専門クリニックに通う方が多いようです。不妊治療もそうですが、婦人科の受診は勇気がいるものです。
何かきっかけがあると、不妊治療を始めやすいのかもしれません。
②周りが出産ラッシュで...
結婚後、自然に妊娠すると思っていたけれど、気付けば妊娠しないまま1年、2年が経過...同じタイミングで結婚した友人や同僚たちが次々出産していたら、焦りも出てくるかもしれません。
自分は「もしかして自然妊娠できないのかな?」と心配になりますよね。そんな不安な気持ちを持ち始めて、婦人科を受診する方もいます。
また、結婚後は親戚の付き合いも増え、親戚から「子供は?」と聞かれてプレッシャーを感じたり、親戚の可愛い子供達と遊んでいるうちに「私も早く欲しいな」と思う気持ちが後押ししてくれることもあります。
③結婚後すぐ
30代後半~40代で結婚したカップルの中には、結婚後すぐに不妊治療を始める方も多いようです。
「加齢による卵子の質の低下が妊娠率を下げている」ということから、不妊治療は時間との勝負とも言えます。
一日でも早く治療を開始したいという気持ちはよく分かります!タイムリミットが迫っている夫婦は決断も早いと言えます。
4、不妊治療の種類
不妊治療と言ってもその治療方法はいくつかあります。それぞれの治療方法と予算について、順番にご紹介しましょう。
①タイミング療法
基礎体温や排卵検査薬などを用いて医師が排卵日を予測、妊娠しやすい日について指導を受けながらその前後に性交渉をする方法です。
1回あたり平均治療費:1万円
②人工受精
精液を細いカテーテルで直接子宮内に注入し、妊娠を図る方法。麻酔をしなくてもほとんど痛みはありません。
体外受精より妊娠率は下がりますが、身体への負担は軽く、費用も安く済みます。
精液の異常や性交障害等の場合に用いられます。
- 1回あたり平均治療費:1万円
- 1回の妊娠率:数%
③体外受精
女性の卵巣の中から取り出した卵子と男性側から採取した精子を混ぜ合わせて受精させ、受精卵を子宮に移植する方法です。身体的にも経済的にも負担が大きくなります。
卵管が詰まっていて卵子が精子と出会えない、精子の数が少ないもしくは、動きが悪い場合に向いています。
- 1回あたり平均治療費:1万円
- 1回あたりの妊娠率:数十%
④顕微授受精
卵子と精子を取り出すところまでは体外受精と同じですが、その後、形態や運動能力からみて選んだ1個の精子を細いガラス管の先端に入れ、顕微鏡で確認しながら卵子に直接注入、人工的に受精させる方法です。
体外受精と同様、受精後は受精卵を子宮に移植します。
体外受精で受精障害があった場合、精子の状態が良くない場合、手術で精巣から精子を得た場合など、これ以外の治療によって妊娠の見込みが極めて少ないと判断される場合に行われる治療です。
- 1回あたり平均治療費:40万円
- 1回あたりの妊娠率:数十%
5、不妊治療の成功率
出典:丘の上のお医者さん
上記グラフは体外受精をして出産した確率をあらわしています。
妊娠できる確率は30歳:20%未満、35歳:約16%、40歳:7.7%、45歳:0.6%と続きます。全体的に妊娠率が低いうえ、年齢を重ねるごとに成功率がグンと下がっているのが分かります。
不妊治療は、経済的負担や心身の負担の大きさに見合う結果が出ないというが現実のようです。「不妊治療をすれば妊娠できる!」という訳ではないことを念頭に置いておかなければなりません。
6、不妊治療の期間
検査によって不妊の原因が明らかになれば、原因に応じて薬による治療や手術を行い、医師の指導のもとで妊娠を目指していきます。
一方、不妊は原因不明のケースも多く、検査の結果異常がない場合は、タイミング療法、人工授精や体外受精などの治療を始めてきます。
本人の希望や年齢によっては、タイミング法や人工授精をせず、最初から成功率の高い体外受精を選択する夫婦もいます。
不妊治療は妊娠・出産まで、あるいは、治療をやめる決断をするまで続きます。
治療を始めてすぐに妊娠する人もいれば、何年も治療を続けている人もいます。いつ終わるかを明らかにするのが難しい治療と言えます。
7、不妊治療をやめる時期とは?
不妊治療を始めると、「終わりの見えない治療」に疲れてしまう夫婦もいます。治療を続けるにしても、やめるにしても勇気がいる中、治療をやめる時期とはどんな時なのでしょうか。
①経済的な理由のため
不妊治療はとにかくお金がかかるもの。
共働き夫婦だとしても、その負担は決して小さなものではありません。
毎月のお給料が高額な不妊治療に消えていく上、なかなか良い結果が得られないでいると、「何のために働いているのだろう?!」「報われない努力のために、もう無意味なことはしたくない」と思うようになってしまうかもしれません。
経済的な負担は、心にも余裕をなくしてしまいます。
こんな気持ちになった時は、一度夫婦で話し合ってみましょう。
②決めていた年齢になったため
「〇〇歳になったら、不妊治療をやめる」「治療は〇年間だけ」と決めている夫婦も少なくないようです。
妊娠するまで果てしなく続く不妊治療、やめどきを決めるのはとても難しいので、気持ちに余裕のある治療前に決めておくということが大切かもしれません。
「不妊治療をやめたら、ふたりの好きなことに時間とお金を使おう!」と次にやりたいことや目標も決めておくと良いかもしれませんね。
③治療をひと休みしたまま...
不妊治療に伴う心身の負担は、治療が長くなれば更に増し、精神的に疲れてしまうという女性は多いようです。
やめるわけではないけれど、一度治療から離れ、ひと休みして、それでもまた治療したいと思えたら再開しようと決める夫婦もいます。
治療を続けたい気持ちがあるうちは、やめると決断することが難しいものです。そんな時は、ちょっとお休みする時間を作るだけにして、治療を続けるかやめるかを「決めずにいる」というのが最良の選択かもしれません。
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいる方の中には、「いつか自然に妊娠できるはず…」と思い、不妊治療を先延ばしている方もいるかもしれませんが、年齢が若いうちから治療を始めた方が妊娠の可能性も高くなりますし、治療期間も短くて済む場合が多いようです。
治療期間が短かければ、費用も少なく済みます。
もし不妊治療を受けるか迷っている方がいらしたら、一度婦人科を受診してみてはいかがでしょうか。
不妊の原因を検査してみることで、一歩先に進むことができるかもしれません。
今回の記事が皆様のお役に立ちましたら幸いです。

「HOW TO MARRY」編集部です。編集部では、結婚式場勤務、結婚式のプロデュース会社、フォトウェディングスタジオ立ち上げ経験があるブライダル業界を代表するメンバーや元局アナ・現役婚礼司会者(婚礼司会数300件以上・結婚式関連取材100件以上)が取材・運営を担当しています。皆様に最高に幸せな結婚をして頂くべく信憑性のある情報提供を目指しています。サイト運営者情報はこちら。
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