始める前に知っておこう!不妊治療の補助制度

    不妊治療は肉体的、精神的な負担だけでなく、経済的な負担も大きいものです。保険適用となる治療もありますが、保険適用外となれば、1回の治療費でかなりの高額になります。

    治療を始めようと思っている方にとっては、治療そのものの不安だけでなく、経済的負担に対する不安も多いのではないでしょうか。そんな不安を持っている方々に、是非知っておいて頂きたいのが、不妊治療の補助制度です。

    そこで今回は、治療を始める前に知っておきたい「不妊治療の補助制度」についてご紹介いたします。

    1、不妊治療の費用

    不妊治療にはいくつかの方法があり、治療によって保険適用になるもの、保険適用外になるものがあります。どんな治療が保険適用外となるか気になるところですよね。

    治療法とその治療法が保険適応するのかしないのか、そして費用の目安についてご紹介いたします。

    ①タイミング法

    基礎体温や排卵検査薬などを用いて医師が排卵日を予測、妊娠しやすい日について指導を受けながらその前後に性行為をする方法です。保険が適用され、費用の目安は1回数千円程度です。

    ②人工授精

    タイミング療法で妊娠しなかった時の次のステップアップとして位置づけられているのが人工授精です。人工授精という名前から、特別な治療のように感じますが、治療自体は身体の負担が少ないものです。

    具体的には、事前に採取した精液を、細いカテーテルで直接子宮内に注入し、妊娠を図る方法です。麻酔をしなくても治療の痛みはほとんどありません。精液の異常や性交障害等の場合に行う治療法です。

    保険適用外で、費用の目安は1回1~2万円です。

    ③体外受精・顕微受精

    女性の卵巣の中から取り出した卵子と男性側から採取した精子を混ぜ合わせて受精させ、受精卵を子宮に移植する方法です。採卵前には、排卵誘発剤を使い、より多くの卵子を十分に成熟させることにより、妊娠の確立を上げていきます。

    顕微受精は1個の精子を選んで細いガラス管の先端に入れ、顕微鏡で確認しながら卵子に直接注入して、人工的に受精させる方法です。卵子や精子の採取方法や受精卵を子宮に戻す方法は体外受精と同じです。

    タイミング法や人工授精では妊娠できず、自力での受精が難しい場合、体外受精・顕微受精精にステップアップします。保険適用されず、費用の目安は1回20万~60万円です。

    2、不妊治療で受けられる補助とは?

    ①特定不妊治療費助成事業

    不妊治療の経済的負担の軽減を図るため支給されるもので、平成16年度に創設されました。

    高額な医療費がかかる不妊治療に対する費用の一部負担の助成をすることを目的としていて、対象治療法は体外受精、顕微受精のみです。タイミング療法や人工受精、またはその前に行う不妊検査は補助の対象外となります。

    特定不妊治療費助成事業の利用実績は、平成16年度が約17,000件だったのに対し、平成25年度は148,000件に増加しています。不妊治療を受ける人が年々増えていることがこの数字からも容易に分かりますね。

    それでは、詳細をご紹介いたします。

    ・対象者:

    『特定不妊治療以外の治療法によって妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦』

    『治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦』

    妻側に年齢制限が設定されているのは、「43歳を過ぎると不妊治療の結果が得られにくくなるため」ということでもあります。

    もし不妊治療をするかどうか悩んでいるという方は、早めに治療を始めることが大切と言えます。

    ・給付の内容:

    『(1) 特定不妊治療に要した費用に対して、1回の治療につき15万円(凍結胚移植(採卵を伴わないもの)等については7.5万円)まで助成する。

    通算助成回数は、初めて助成を受けた際の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満であるときは6回(40歳以上であるときは通算3回)まで。

    ただし、平成25年度以前から本事業による特定不妊治療の助成を受けている夫婦で、平成27年度までに通算5年間助成を受けている場合には助成しない。』

    『 (2) (1)のうち初回の治療に限り30万円まで助成。(凍結胚移植(採卵を伴わないもの)等は除く)』

    『 (3) 特定不妊治療のうち精子を精巣又は精巣上体から採取するための手術を行った場合は、(1)及び(2)のほか、1回の治療につき15万円まで助成。(凍結杯移植(採卵を伴わないもの)は除く)』

    体外受精や人工授精の他に、男性の不妊治療に対しても補助を受けられることはあまり知られていないかもしれません。

    どんな治療にどれだけ補助が受けられるか知ることは、治療を始める上でもとても大切です。

    ・所得制限:

    『夫婦の合算の所得額が730万円未満であること。』

    国の助成制度には所得制限があるため、補助を受けられない家庭もあります。

    • 納付期間:

    通算5年(通算10回を超えない)

    • 助成回数:

    初めてこの助成を受けた時の治療開始日時点で、

    妻の年齢が39歳までの夫婦  通算6回まで

    妻の年齢が40歳以上の夫婦  通算3回まで

    助成回数にも年齢制限が設けられています。不妊治療と年齢は切っても切れないものと言えます。

    上記の条件を見ていて「厳しい」と感じる方もいるかもしれませんが、創設当初、支給期間2年だったものが5年に延長されたり、給付額も当初の1回10万円か15万円に増額されるなど利用者に寄り添った見直しがされています。

    今回ご紹介した内容は一般的な概要になり、各都道府県で条件が違う場合もあります(たとえば、東京都は平成30年4月1日以降、事実婚の方も助成の対象となりました)。詳細については、各自治体のホームページでご確認ください。

    参照元:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html

    ②市区町村の助成

    国の助成制度の他に、市区町村で独自に不妊治療費の助成事業をおこなっている場合があります。関東1都、3県で行っている自治体は下記の通りです(2016年9月1日現在)。

    東京都:千代田区・中央区・港区・文京区・台東区・品川区・世田谷区・杉並区・練馬区・葛飾区・八王子市・調布市・東大和市・武蔵村山市・羽村市・奥多摩町

    埼玉県:熊谷市・行田市・秩父市・加須市・羽生市・鴻巣市・深谷市・上尾市・戸田市・白岡市・ときがわ町・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町・美里町・宮代町

    千葉県:松戸市・我孫子市・君津市・袖ヶ浦市・香取市・いすみ市・睦沢町・長柄町

    神奈川県:平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・逗子市・秦野市・厚木市・大和市・南足柄市・寒川町・大磯町・中井町・開成町・愛川町・清川村

    各自治体によって助成制度の内容は様々ですが、ここでは「東京都港区」を一例にご紹介します。

    • 助成上限回数:

    通年5年

    • 助成上限額:

    1年度あたり30万円を上限(特定不妊治療)

    1年度あたり15万円を上限(男性不妊治療)

    • 対象:

    法律上の婚姻をしている夫婦、夫婦の両方または、一方が港区に住民登録をしていることなど

    所得制限や年齢制限(平成33年度からは妻の年齢が43歳以上で開始した治療は対象外)がないという点では、国の補助制度より条件が緩いと言えます。

    国の助成制度では対象外でも、市区町村なら申請できる方も多いかもしれません。是非、各自治体のホームページで詳細をご確認ください。

    参照元:港区

    http://www.city.minato.tokyo.jp/chiikihoken/kenko/ninshin/ninshin/kibo/documents/00_goannai.pdf

    ③自治体独自の助成制度

    埼玉県には「こうのとり健診推進事業(早期不妊検査費助成事業)」(夫婦そろって受けた不妊検査費用を助成する事業)、不育症検査費助成事業」(夫婦そろって又は妻のみが受けた不育症検査費用を助成する事業)、「早期不妊治療費助成事業」(埼玉県内で行っている特定不妊治療費の初回助成を受けた方のうち、1回目の治療開始時に妻の年齢が35歳未満のご夫婦を対象に助成の要件を満たす場合、10万円を上限に上乗せ助成する事業)など、県独自の助成制度があります。

    詳細は、下記埼玉県のホームページをご覧ください。

    http://www.pref.saitama.lg.jp/a0704/boshi/welcome_baby.html

    お住まいの都道府県や市区町村で独自に行っている制度があるかもしれません。こちらに関しても、是非自治体のホームページで確認してみてくださいね。

    ④医療費控除

    補助制度ではありませんが、不妊治療をした時は高額医療費控除も忘れてはいけません。

    不妊治療費以外の医療費も含めて、1年間に支払った世帯の医療費の合計が10万円を超えた場合、医療費の一部を税金から控除することができるのが医療費控除です。保険適用分も自由診療分も計上でき、通院時の交通費、薬代も含めることができます。

    医療費控除に関する事項やその他の必要事項を記載した確定申告書を所轄税務署長に提出するか、電子申告(e-tax)にて申告します。

    手続きの概要については、下記国税のホームページをご参照ください。

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm

    いかがでしたでしょうか。

    今回は不妊治療の補助制度についてご紹介いたしました。

    今や5.5組に1組が不妊の検査や治療を受ける時代になりました。一方で、「不妊治療を受けたいけれど、高額な医療費が心配」と思う方も多いのが現実です。

    このような制度を知ることで、不妊治療を受けたいと思っている方が治療を始めるきっかけになりましたら幸いです。

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