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妊娠中に起こる息切れの原因と対処法

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    妊娠前は病気もしないで元気だったのに、妊娠してから体調がすぐれないという妊婦さんは多いのです。妊娠初期の辛いつわりが終わり、「マタニティライフを楽しもう!」と思っていた妊婦さんも、妊娠中期以降もトラブルに悩まされる人は少なくありません。

    そんな妊婦さんに多い症状のひとつが「息切れ」です。息切れの原因には大小さまざまな原因がありますが、「妊婦に息切れはつきもの」と軽くみていると大変なことになりかねません。

    そこで今回は、「息切れ」に焦点を当て、妊婦特有の「息切れ」の原因と対処法を解説いたします。

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    ※体調の変化などについては自己判断せず、不安なことはすぐに主治医の先生に相談されることをおすすめします。

    1、息切れの原因と対処法

    妊娠中に息切れをする原因とはどんなものがあるのでしょうか。対処法とあわせて解説します。

    (1)女性ホルモンの大量排出

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    妊娠すると、妊娠を継続させるために女性ホルモンが大量に排出されます。その女性ホルモンには、プロゲステロンというものがあり、自律神経の働きに影響を与えてしまうことがあります。この影響で乱れた自律神経は、妊娠前にはなかった息切れを引き起こすのです。

    プロゲステロン濃度の上昇は、妊娠12~16週目で弱くなります

    【症状】

    • 動悸
    • 息切れ
    • めまい
    • 心臓が強く脈打つ
    【対処法】

    • 息切れを感じた時は、動いたり立ち続けるのを止めて、休憩しましょう。
    • 仕事や通勤で立っている時間が長い場合は、できる限り座り仕事にしてもらう、座って通勤できるよう時差通勤をするなどしましょう。

    息切れが続く場合は、主治医に相談しましょう。

    (2)大きくなった子宮で圧迫される

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    子宮がだんだん大きくなってお腹の高い位置にまでくると、横隔膜を圧迫して息をするのが苦しくなってきます。

    【症状】

    • 息切れ
    • 動悸
    【対処法】

    • お腹が大きくなると猫背になり、さらに横隔膜を圧迫してしまいます。意識して姿勢を伸ばすよう心がけましょう。
    • 息切れを感じないよう、普段からゆっくり動作するようにこころ掛け、もし息切れを感じた時は、治まるまで休みましょう。

    (3)鉄欠乏性貧血

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    妊娠すると赤ちゃんへ栄養を送るために母体は血液量が増えます。一気に血液量が増えると、血液の内容が伴わずに貧血気味になります。また、多くの血液を送り出すため、心臓に負担がかかり息切れを感じやすくなる人がいます。

    【症状】

    • 動悸
    • めまい
    • 息切れ
    • ふらつき
    • 吐き気
    • 頭痛
    • 手のしびれ
    • 疲労感
    • 倦怠感 など
    【対処法】

    • レバー、ほうれん草など鉄分の多い食事を摂るよう心がけましょう。鉄分の吸収を上げるビタミンCを含む、野菜や果物を摂るのも良いでしょう。ただし、レバーの摂りすぎはビタミンAの過剰摂取になりますので、注意が必要です(ビタミンAの過剰摂取は、胎児奇形が増加すると言われています)。
    • 食事については、鉄分のみを多く摂るではなく、バランス良く栄養を摂取するようにしましょう。
    • 食事で貧血が改善されない時は、鉄剤を服用することになります。その場合、便秘や胃のむかつきなどを起こすことがあります。服用しやすい薬もあるので、主治医に相談することをおすすめします。

    (4)周産期心筋症

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    妊娠すると赤ちゃんに必要な血液を届けるため、女性のからだをめぐる血液の量は増加します。同時に、心拍数や心臓が血液を送り出す量も増えます。

    心臓は全身に血液を送るポンプの役割ですが、この働きが弱くなると、全身へ十分な血液が届かず、からだが酸欠状態に陥る状態になります。

    【症状】

    • 息切れ
    • 全身のむくみ
    • 倦怠感
    【対処法】

    • 軽度の心機能低下であれば、入院して、心エコーで確認しながら出産に備えますが、心機能が大きく低下していれば、分娩を早めることもあります。
    • 産後の治療は、投薬を中心とした急性心不全の治療をおこないます。

    (5)妊娠高血圧症候群

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    妊娠高血圧症候群とは、妊娠中期である妊娠20週から産後12週までに高血圧の症状が続く状態のことをいいます。血縁者に高血圧の人が多い場合や妊娠前から体重が重い人、年齢が高い人は発症のリスクが比較的高いことが報告されています。

    また、過度なストレスを感じている人や、妊娠前より体重が増えてしまった人にも起こりやすいです。自覚症状がほとんどなく、妊婦検診で異常が見つかることも多いです。

    【症状】

    • むくみ
    • 息切れ
    【対処法】

    • 軽度の場合は、食事療法(総摂取カロリーや塩分の制限)や自宅での安静により経過をみていきます。一方、重度の場合は、入院して、安静にすることが大切です。
    • 妊娠高血圧症候群を予防するためには、毎回妊婦検診を受けることが大切です。妊婦検診では、血圧測定と尿検査を毎回おこなうので、数値に変化があれば主治医から適切な指導や治療を受けることができます。
    • 過食や偏食に気をつけて、栄養のバランスの良い食事を心掛けることが大切です。
    • 適度な運動も効果的と言われています。

    (6)妊娠性一過性甲状腺機能亢進症

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    妊娠8週~13週に胎盤がつくるhCG(妊娠中に産生されるホルモン)が甲状腺を刺激しておきるもので、一時的に甲状腺機能が亢進します。もともとバセドウ病だったり、つわりがひどい人に多くみられます。

    【症状】

    • 汗をかきやすい
    • 体重が減少する
    • 妊娠悪阻
    • 息切れ
    • 手の震え
    【対処法】

    • 基本的に安静・経過観察になります。

    2、妊娠中の過ごし方

    妊娠中は大小さまざまなトラブルがつきものです。息切れも妊娠特有のマイナートラブルであれば大きな心配はいりませんが、不摂生な生活は大きなトラブルになりかねません。妊娠中の過ごし方については、すでに知っている人も多いでしょうが、改めて確認してみましょう。

    (1)十分な睡眠

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    健康を保つために、規則正しい生活を送ることを心掛けましょう。妊娠中は、妊娠前と同じ生活をしていても疲れを感じやすくなりますので、体を休めることは大切です。睡眠は少なくとも7~8時間はとるように心掛けましょう。眠れなくても部屋を暗くして横になることによって、臓器や子宮を流れる血流が増加し、からだは休息がとれます。眠れないときは、昼寝で補うのも良いでしょう。

    (2)適度な運動

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    妊娠したからと言って、必ずスポーツをする必要はありませんが、自宅でストレッチをしたり、散歩なども良いでしょう。運動は血行を良くし、新陳代謝を促すとともに、リフレッシュできるなど、妊娠中を健康に過ごすことにプラスになります。また、お産の時に必要な普段あまり使わない筋肉や関節をトレーニングしておくことで、お産が楽になります。

    妊娠中期以降、無理のない範囲で体を動かすことをおすすめします。妊婦体操などもおすすめです。

    (3)体重のコントロール

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    妊娠中の過度な体重増加は、妊娠性高血圧症候群や糖尿病を合併しやすく、お産にも影響を及ぼすため、注意が必要です。

    適切な体重増加とは、非妊時のBMIにより個々によって異なります。

    BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算し22を標準とします。

    それぞれの適正な体重増加は以下の通りです。

    • BMIが18以下:10~12㎏
    • BMIが18~24:5~7kg
    • BMIが24以上:5~7㎏

    まとめ

    今回は妊娠中に起こる息切れの原因や対処法についてご紹介しました。

    妊娠すると、女性のかただにはさまざまな変化があります。症状に対する感じ方は人によって違いますので、「こんな症状なら安心」「受診しなくていい」とは言い切れません。また、出産年齢、多胎妊娠、妊娠高血圧症候群などで、発症頻度が上がることもあります。妊娠すると、様々なからだの変化が起こりますので、不安なことは、必ず主治医に相談しましょう

    今回の記事が皆様のお役に立ちましたら幸いです。

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