婚約指輪に使用する宝石といえば、まず「ダイヤモンド」を連想する方が多いのではないでしょうか。
永遠の輝きと言われているダイヤモンド、その透明な煌めきをひとたび目にすれば、魅了される女性は多いはず。その一方で、婚約指輪が人生で初めて購入する「ダイヤモンド」という男性、同じように、初めてもらうダイヤが婚約指輪だという女性も多いはず。
一生に一度かもしれない婚約指輪選びで後悔しないために、ダイヤモンドの選び方・最低限の知識は必要です。ハウツーマリーが徹底リサーチの上、「ダイヤモンド」の基本的な知識と、輝きやカットを含む品質の高い価値あるダイヤモンドを選ぶためのノウハウをまとめました。
婚約指輪のダイヤモンドの選び方で悩まれている方はもちろん、ブライダルリングだけでなくネックレスやプライベートのジュエリーでダイヤをお選びになる方へも、ご参考になれば幸いです。
婚約指輪の選び方!購入前に知っておくべき注意点13選も、この記事をお読みの方によく読まれています。
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目次
1、婚約指輪には「ダイヤモンド」と言われる理由とは?
(1)ダイヤモンドとは何か
ダイヤモンドは、天然の鉱物です。全体の99.95%が炭素で、残りの0.05%が他の一種類から数種類の微量元素で出来ています。
無色透明で、透明度の高いものほど良品とされています。
(2)ダイヤモンドの相場価格が高い理由
ダイヤモンドの値段が高いのは、その希少価値にあります。
ダイヤモンドは鉱山から採取され、1トンの鉱石から採取できるダイヤモンドの量は、なんと「0.06グラム」しかありません。そのわずかなダイヤモンドを求めて、鉱山会社は人足の人数分の家を建てたり、娯楽施設を作ったり、さらに希少なダイヤモンド鉱山を守るため、夜間の警備も欠かせません。
また、採掘されたダイヤモンドを研磨して、加工するのも技術が必要です。ダイヤモンドが眠っている鉱床を発見するだけで、数百万ドルかかると言われています。
(3)婚約指輪・結婚指輪にダイヤモンドが選ばれる理由
ブライダルジュエリーとして選ばれる宝石には、その希少性はもちろんのこと、高い屈折率により美しく強い輝き、すべての石の中で最も硬度が高い事による耐久性、それら全てを兼ね備えています。
石言葉には「永遠の絆」という意味があり、長く寄り添う二人に相応しいと、世界中の恋人達から選ばれているのです。
2、婚約指輪選びで重要!ダイヤモンドの4Cとは?
よく耳にするダイヤの4C、ダイヤモンドの評価を決める基準と言われていますが、具体的になんのことかご存知の方は少ないのではないでしょうか。
4Cを定めたのは、GIA(米国宝石学会)です。
- Cut(カット)
- Clarity(クラリティ)
- Color(カラー)
- Carat(キャラット)
4つの項目の頭文字の総称です。2000年前のインドのグレーディング(等級制度)をベースに、研磨技術が未発達だった当時はCutを除く3Cでしたが、今では、Cutを含めGIAの基準の明確さと厳しさで、国際的な評価基準として広く支持されています。
以下にて4Cのそれぞれの特徴と評価の見方を紹介します。
(1)Cut(カット)
カットとは、ダイヤの切り方のことです。
無色透明なダイヤモンドは、カットの仕方によって輝きが大きく異なります。どんな種類があるのかみてみましょう。
①Cut(カット)の種類と特徴
大まかにわけて、カットには3種類の技法があります。
- ブリリアントカット
出典:http://www.jewelry-note.com/
一般的なダイヤモンドによく見られるカット技法です。
三角形や洋凧のような研磨面(ファセット)が中心点から放射状に広がって配列されている宝石のことです。
- ステップカット
出典:http://www.asaokougei.com/cut/oct.jpg
階段のように段差があるカット技法です。
エメラルドなどを連想すると想像しやすいでしょう。
- ミックスドカット
出典:http://www.asaokougei.com/cut/cut.html
ブリリアントカットとステップカットを組み合わせたカット技法です。
それぞれの風情の違いを楽しむことができます。
カットひとつでダイヤモンドのその表情を大きく変えることができますので、上記を参考に、自分好みのカットを見つけてみてください。
②Cut(カット)の評価
カットの評価は、切り口や対称性の正確さ、エッジのシャープさを基準に、
- Excellent
- Verygood
- good
- fair
- poor
という順に評価されます。Excellent評価を得たダイヤは、その輝きがハートと矢を示しているように見られることから、「ハート&アロー」とも呼ばれています。
(2)Clarity(クラリティ)
クラリティとは、ダイヤの透明度を指します。
ダイヤの内部にある不純物を「インクルージョン」、研磨済みのダイヤの表面に見られる不純物を「プレミッシュ」と呼びます。これら内外部の不純物の有無、程度を指標するのがクラリティです。
クラリティが同一のダイヤモンドは二つとなく、個々のダイヤモンドの識別にも役立っています。
①FL~I3のランク別の違い
クラリティには11のランクがあります。
最高級のFL(フローレス)は、インクルージョンやプレミッシュを一切含まないダイヤモンドのことです。希少価値が非常に高く、そのレア度は、ジュエリー業界に一生身を捧げたとしても、一度も目にせず終わる可能性もあるほどです。
IF(インターナリ―フローレス)は、インクルージョン(ダイヤの内部に不純物)がない状態のものを指します。プレミッシュだけがあります。
プレミッシュは、研磨済みの宝石の表面にあるクラリティ特徴です。
VVS1、VVS2は通常の宝石商が持つ10倍ルーペでは見つからないほどの細かな不純物が混じった状態です。
VS1は10倍ルーペで見つけるのが困難ですが、VS2は10倍ルーペで見つけるのが、いくぶん容易になります。
Sl1、SL2は、肉眼で見られる人もいれば、ルーペで見て初めて気付く人もいます。
I1~I3、目で見てわかるレベルの不純物が混じっています。
②不純物とダイヤモンドの価値
ほとんどのダイヤモンドには、不純物が混じっています。それが肉眼でわかるのか、顕微鏡でわかるかのレベルの違いと、どこにあるのかによって価値が決まります。
通常、ダイヤモンドを原石の状態ではなく、指輪やネックレスなどのジュエリーで見ることがほとんどです。不純物の位置によって、ツメや装飾でうまく隠すことができます。しかし、中央に不純物があり、輝きを大きく損ねる場合、その価値は著しく下がってしまうのです。一方、同じく中央に不純物があっても、その模様がユニークさに惹かれることもあります。一概に価値を定めることができないこともまた、ダイヤモンドの魅力と言えるでしょう。
(3)Color(カラー)
カラーは、ダイヤモンドの透明度や色味を指します。
①D~Zまでの透明度の違い
ダイヤモンドのカラーはD~Zで評価されます。GIA(米国宝石学会)が明確な基準を定める前は、各業者がA~Cで評価を行っていたようで、GIAは評価が混同しないよう「D」から始めたと言われています。
②ダイヤが持つ色って?
無色透明と言われるダイヤモンドですが、鉱石である以上、色が混じっていることも珍しくはありません。そのようなダイヤはFancy Colour Diamonds(ファンシーカラーダイヤモンド)と呼ばれています。多くは黄色や茶色、珍しい色ではピンクや青などの色をしているケースもあります。
一般的には色のついたダイヤモンドはDより下のランクとされていますが、その発色度合いや色味によっては付加価値がつくこともあります。
(4)Carat(キャラット)
①Carat(キャラット)とKarat(カラット)の違い
ダイヤモンドの重さを示すのがCarat(キャラット)です。
ダイヤの「ct」を「キャラット」あるいは「カラット」と両方呼ばれることありますが、正式には
Carat(キャラット)=ダイヤモンドの重さ
Karat(カラット)=金の純度
意味の違いがあるので、宝飾業界では混合を避けるためにCarat(キャラット)と呼んでいます。
②メレダイヤについて
0.25ct以下のダイヤをメレダイヤと呼びます。こちらはメインのダイヤを取りだした後に残った部分になります。主役を張るにはやや小ぶりが過ぎますが、脇石として十分にその美しさを発揮してくれるのです。
(5)GIAのアプリ
こういった4Cをより身近に感じられるよう、GIAではアプリをリリースしています。
英語、中国語でガイダンスがあり、実際の色味の違いやカットの違いが画像で見られます。より身近にダイヤモンドを感じることができるアプリですので、ご興味がある方はぜひダウンロードしてみてください。
・App Storeはこちらから
・Google Playはこちらから
3、4Cではわからない!ダイヤモンドの本物の輝きを選ぶ方法
ダイヤモンドの「4C(Carat カラット(重さ)・Color カラー(色) ・Clarity クラリティ(透明度)・Cut カット)」の評価が書いてある鑑定書には、輝きの評価は記載されていません。
ダイヤモンドは最も「輝き」が重要と言っても過言ではありません。美しい輝きを選ぶために、どのように選べばよいのか知っておくのが良いでしょう。
ダイヤモンドの輝きを評価する方法は以下の通りです。
1.自分の目で確認する(綺麗だ、美しい、と感じるか)
2.輝きを科学的に評価した「サリネライトレポート」で確認する。
ダイヤモンドにとって重要な価値となる輝きに関する 4 つの項目
1.Brilliance(ブリリアンス):ダイヤモンドから放たれる白色光の輝き
2.Sparkle(スパークル):光源やダイヤモンドが動いた時に現れるキラキラとした輝き
3.Fire(ファイヤー):ダイヤモンドから放たれる鮮やかな虹色の輝き
4.Symmetry(シンメトリー):ダイヤモンドから反射される光の分布の対称性
この、「Brilliance(ブリリアンス)」「Sparkle(スパークル)」「Fire(ファイヤー)」「Symmetry(シンメトリー)」
の 4 つの輝きがすべてバランスよく放出されていることが、ダイヤモンドが美しく輝く指標となっています。
同じ 4C のトリプルエクセレントであっても輝きに差が生まれるということから、科学的に測定・評価し美し
く輝くダイヤモンドであるという証明書「サリネライトレポート」を発行しているブランドかどうかも確認し、
検討するのがよいでしょう。
5、婚約指輪のダイヤモンド|後悔しない選び方
(1)ダイヤモンドの鑑定書はあるか
鑑定書の有無はダイヤモンド選びにおいて重要になります。
ダイヤモンドは、上記で説明した評価基準を基に記載する「鑑定書」があります。数多くある宝石の中でここまで明快な評価基準がある宝石はダイヤモンドだけです。
(2)ダイヤモンドも好みが大切
もちろん評価ランクが高ければ高いほどダイヤモンドの価値も高く、市場的価値を求めるのであれば、鑑定書は絶対と言えるでしょう。しかし、一生身につけるものとして、「あなたの好み」も忘れずに反映してください。
人によってカットの形は「エクセレント評価のものより、ベリーグッドのほうが綺麗に見える」という人もいれば、カラーも「黄色みがついているほうが暖かくて好き」という人もいます。
この世に同じダイヤモンドは存在しません。価値で選ぶのもいいですが、「このダイヤモンドは私のために誕生したのかも」と思えるダイヤモンドを選ばれるのも素敵ではないでしょうか。
(3)「紛争ダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)」でないか
「紛争ダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)」とは、地球が育んだ特殊な条件がそろわなければ生み出されない奇跡といえるダイヤモンドは貴重資源であるがゆえ、戦争・紛争の資金源として扱われてしまうダイヤモンドのことです。
戦争・紛争ダイヤモンドではないダイヤモンドを選ぶために、確認する事項は以下の2つです。
- 「キンバリー・プロセス証明制度」に則って仕入れたダイヤモンドの原石をカット・研磨しているブラン
ドであるかどうか - 世界三大市場(インドのムンバイ、ベルギーのアントワープ、イスラエルのテルアビブ)に現地法人をも
ってカット・研磨済みのダイヤモンドを仕入れているブランドであるかどうか
またエシカル、サステナブル、SDGs といったことに関する認識も高まっていることから、エシカルジュエリーであるのか、仕入れにあたってダイヤモンドの採掘現場で人権や現地の環境を守るための取り組みをしているかどうか、取り組みをしている業者と取引をしているかどうかを確認することもよいでしょう。
「キンバリー・プロセス証明制度」とは?
戦争・紛争ダイヤモンドではないことを証明するための国際的な証明制度です。
(4)「リユースダイヤモンド」でないか
昨今、離婚率が高くなり購入した婚約指輪を買い取り業者に売る人が増えています。
「リユースダイヤモンド」とは、買い取り業者で仕入れたダイヤモンドはそのまま販売されたり、インドなどでリカットと言われる加工をされて再販売するされたダイヤモンドをいいます。
ダイヤモンドを選ぶために、確認する事項は以下の2つです。
- 「キンバリー・プロセス証明制度」に則って仕入れたダイヤモンドの原石をカット・研磨しているブラン
ドであるかどうか - 世界三大市場の 2 つ(ベルギーのアントワープ、イスラエルのテルアビブ)に現地法人をもって研磨済みのダイヤモンドを仕入れているブランドであるかどうか
- 「ダイヤモンドジャーニー」を発行しているダイヤモンドであるかどうか(「ダイヤモンドジャーニー」について詳しくは、次の項でお伝えします。)
インドからのダイヤモンドがすべてリユースダイヤモンドであるわけではありませんが、ひとつの判断基準にすると安心できるかもしれません。
(5)ダイヤモンドジャーニーがついているか
「ダイヤモンドジャーニー」とは、選んだダイヤモンドが元々はどんな形の原石だったのか、そこからどうカッティングされたのか、原石がカットされ輝くまでの道のりをお客様に追体験していただけるシステムです。
ダイヤモンドに固有の番号が付与され、原石や形の映像、カット・研磨したダイヤモンド輝きの評価レポートをオンライン上で確認することができます。
ブランドによっては原石の模型ももらえるサービスを展開しています。
「ダイヤモンドジャーニー」がサービスとしてついてくるダイヤモンドを展開しているブランドは、先
ほどの「紛争ダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)」とも「リユースダイヤモンド」とも異なる、ピュアな
ダイヤモンドであると言えるでしょう。
※ ただし、「ダイヤモンドジャーニー」付きのダイヤモンドがリユースされることもあるので、絶対とは言い切れません。ダイヤモンドの「原産地証明」をしているブランドもあるので、確認してみるとよいでしょう。
6、婚約指輪に使われるダイヤモンドの主要部分の名称
ダイヤモンドには、部位によって呼び方があります。
(1)クラウン
真横からダイヤモンドを見た時に上位の台形部分をクラウンと呼びます。
(2)パビリオン
真横からダイヤモンドを見た時に、下部にあたる三角形部分をパビリオンと呼びます。
(3)ガードル
クラウンとガードルの境目にあたるダイヤの輪郭を形作るラインのことです。
(4)キュレット
ダイヤモンドの下部であるパビリオンの最下部をキュレットと呼びます。ダイヤモンドは先端がとがっているとイメージされがちですが、キュレットをよくよく見ると角が削られているのがわかります。
7、婚約指輪のダイヤモンドを支えるリング部分の豆知識
(1)地金(じがね)とは?
宝石を支えるリングの部分を「地金(じがね)」と呼びます。婚約指輪に使われる地金は、主にプラチナ、ゴールド系です。地金の色や形状によっても、指輪の印象が変わりますよね。それぞれの地金の特徴を見てみましょう。
(2)地金の種類と特徴
①プラチナ
白銀の輝きを持つプラチナは、ダイヤモンドとの相性が良く、その希少性もあって人気がある地金です。やや柔らかい金属であるため、ロジウムメッキで加工して耐久性をあげることがあります。
②イエローゴールド
ゴールドの色味を保ったまま、メッキをかけずに加工した状態をイエローゴールドと呼びます。金に近い黄金の輝きはゴージャス感があり高い人気を博しています。
③ピンクゴールド
金に銅を混ぜ、ピンク色を帯びさせたものがピンクゴールドになります。銅との配合比率は店舗ごとに異なるため、それぞれのお店独自の色合いを楽しむことができます。
(3)地金選びのポイント
プラチナなどのシルバーベースか、ゴールド系の金色ベースかで悩むこともあるでしょう。
人の肌色は大別してイエローベースとブルーベースと2種類にわけられます。黄色が似合うイエローベース肌の人は、イエローゴールド系、青白いものが似合うブルーベース系の人はプラチナが向いているようです。卓上でみるだけではなく、実際に試しにつけてみて、自分の肌色はどちらが向いているのか確認しましょう。
(4)リサイズの時に気をつけたいこと
地金の配合には規定がないため、配合は店舗ごとに異なります。特にピンクゴールドは店舗ごとの差が大きく、中には色合いを強く出すためにリサイズを想定していない配合にしている店舗もあります。配合を知らずにリサイズすると、熱で指輪が破損する可能性がありますので、購入する前に確認するようにしましょう。
婚約指輪のダイヤモンド選びについてのまとめ
今回は婚約指輪には欠かせないダイヤモンドについて書きましたがいかがでしたでしょうか。
ダイヤモンドといえば宝石の王様。まして婚約指輪ともなれば、一生大事にできるものを選びたいですよね。この記事を参考に、この世にたった1つあなただけのダイヤモンドを見つけられたら幸いです。
「HOW TO MARRY」編集部です。編集部では、婚礼司会者、元結婚式場勤務など結婚に関する豊富な知識を持ったメンバーが取材・運営を担当しています。皆様の幸せな結婚生活を応援する発信を行っています。ジュエリーコーディネーター保持メンバーが発信する公式Instagram、Xは、指輪購入に迷える方から高評価。運営会社についてはこちら。
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